#44 母が泣き、父がマッサージをした日 2021.1.3

お父たんのマッサージ気持ちよかったかな?
マーカー部分、はっきり覚えています。この日だったのかと……胸が締めつけられます。

※この記録ノート画像についての見方は、下記リンクで説明しています。

 魔の時間が悪魔の時間だった。

 そしてそれはいつもの2時半より、1時間早い1時半だった。

 そわそわが激しい。お水を飲んだら落ち着くかと思い、シリンジで少し口に水を含ませた。自分からゴクゴク飲むことなんてできない。

 それで胃が反応してしまったのか、吐いてしまった。

 昨日食べた貴重な野菜類が消化されないままだった。大部分は黄色の胃液だった。少し安心した。また茶色の血が混じった嘔吐物だったらどうしようと思ったからだ。

 人間も同じで吐いたらトイレにも行きたくなる。公園まで抱っこして行った。こんなに体調悪くても外に行きたいとせがむのだ。そこにあるペットシートでしてくれていいのに。太郎くんだって楽だろうに。

 家に戻ってから少し寝た。でもそれも束の間……
 朝方、部屋の入口に歩き出した。

「うん、わかったよ」

 トイレだ。また抱きかかえて公園に行った。下痢をしていた。

 帰ってきて、リビングのソファに太郎くんを寝かせた。
 そして母は、太郎くんを見つめながら頭を撫でた。

「どうしてこんなに弱っちゃったの」

 泣き声が、やがて嗚咽に変わった。

 太郎くんは黙ったまま、じっとしていた。太郎くんが話せたら、あの時にここが調子が悪かったって教えてくれて、すぐに処置できていたろうに。

 フーンフーン、クーンクーンだけじゃわからないよ……。いつも太郎くんの言っていることはわかった気になっていたけれど、実際のところはわからない。太郎くんの調子が悪くなってから常に思っていることだった。

 そして、この日の皮下点滴は午前中だった。

 先生に夜中に吐いたことを伝えて、嘔吐物の写真を見せた。また吐き止めの薬も入れてくれた。明日からは通常の診察開始になるので、明日血液検査をしましょうということになった。

 家に帰り、太郎くんはソファベッドで横になっていた。何も食べない……

 私は、母の涙をもなんとかしたかった。突然、思いついた。そして自転車を漕いでセブンイレブンへ行った。

 カステラだ!

 カステラなら太郎くんも食べてくれるのでは? だってカステラって元々そういうものでしょ。(わが家は、このカステラに助けられました。体に良い悪い言ってられない。何でもいい食べて欲しい。カロリーを摂りたいという方は、ぜひお試しください!)

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 お願い! 食べて!!

 やったー、食べた!!!

 太郎くんはペロリとした。おいしい、もっとちょうだいのサインだ。

 結果、一切れ食べた。3切れ380カロリー、1切れなら約126キロカロリー、ザラメ部分は取り除いたのでこれよりは少ないけれど、100キロカロリーは確保できたかな。

 今日は強制給餌(シリンジでリキッドご飯をあげること)をしなくていいと思い、私もほっとした。(※この時はそう思いましたが、本当はしておくべきだったと思います。これでは栄養もカロリーも足りません!)

 皮下点滴の効果もあったのかもしれない。

 勢いづいて、おやつも食べてくれた!

 結果、この日もご飯は食べなかったけれど、レバーも食べて、精気を取り戻した気がしていた。

 やはり、食べないと弱る一方だ。

 夜の散歩から帰ってきて、父が太郎くんをマッサージした。

 気持ち良さそうだった。

 音声は省いているけれど、家族みんなで太郎くんを取り囲み、太郎くんもそれに応じてくれていた。太郎くんはつらかったし、家族全員不安だらけだったけど、それでも幸せだったな。

 この日は日記をつけていない。

 この日から私と太郎くんは一階のリビングで寝るようにした。太郎くんが外に行きやすいように。そして空いた私の部屋には母が寝ることになった。母の病状もまだ不安定だった。リビングと私の部屋は離れている。物音があまり聞こえない。共倒れにならないよう、母には太郎くんの様子があまりわからない部屋で寝てもらいたかったから。

 その入れ替え作業で忙しかった。太郎くんも、「え? ここで寝るの?」と思ったのも束の間、すぐに私の枕で寝てしまった。

 もう太郎くんったら、いつの間に。

 くすっとした。 

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