#49 食べさせるのが大変になり始めた日 2021.1.6 ①

お鼻がガビガビでかわいそうだったね……

 魔の時間はやけに大人しかった。うろうろするわけでもなく、ただ細い息をするのみ。水も飲まずに弱々しかった。

 昨日から午後1時のおやつを食べたっきり。点滴後も何も食べなかった。だから吐く物もがないどころかエネルギー源すらなかった。

 起きたら、何としても何か食べさせないと。

 朝を迎え、父が太郎くんを公園に連れて行った。この頃には、公園までは抱っこして連れて行くことが普通になっていた。家から公園までの50メートルすら歩く体力もなくなっていた。

 母と私はその間、太郎くんに食べさせる準備をする。

 おしっこを済ませて家に帰ってきた太郎くんに、お肉、カステラを差し出す。

 ぷいっ。

 私はつい溜息が出そうになるのを必死で堪える。別のタイミングを待とう。

 父とソファベッドで少し休んだ一時間後、もう一度トライ。

 ”チンしてニオイを出して、私がおいしそうに食べる”作戦。
 (左のタイムテーブル、ピンクマーカー部分)

 クンクンクン……
 パクッ!

 やっと食べてくれた! それ今のうちだ!

 カステラ一切れ、大好物のミニトマトも。
 パクパクパク! 
 ミニトマトは5個食べた!

 レバーの中に、お薬も入れることもできた!

 よかった…… 

 全身全霊で疲労困憊。食べさせるのが大変になってきた。これが原因で家族とどのくらい衝突したのかわからない。

 あんなに食べるのが大好きだった太郎くん。むしろ、食べ過ぎだよって言うくらい、何でもペロリと食べていた太郎くん。お薬をあげるのもお肉の間に挟むくらいで楽に飲んでくれた太郎くん。

 なんで、こんなに食べなくなってしまったの?

 そしてこの日から、おやつも選ぶようになった。シニア犬のおやつは食べるけど、この日から絹紗シリーズを食べなくなった。食べても少量。
 こうなったらシニア犬のおやつ頼み。「グルコサミン・コンドロイチン配合」の他に、「乳酸菌」もあることも知り、どんな栄養素でもカロリーでも取れればという切なる願いをかけて、こちらも取り寄せをしていた。

 味の違いはわからないけれど、こちらも太郎くんは食べてくれた。乳酸菌なら太郎くんの内臓環境を整えてくれるはず。

 そして夕方の散歩後は、焼鮭を半切れ食べてくれた。(この頃から、”食べてくれた”という表現がぴったりになってきたのです)

 とはいえ、完全に栄養が足りないのが、ガビガビになった鼻が物語っていた。かわいそうだった。そして、この頃から背骨がくっきりとわかるようになった。博物館に展示されている恐竜の骨の模型をなぞっているようなイメージだった。これまでの太郎くんは筋肉質の骨太でスタイル抜群だったから、「骨」を感じる部分なんてなかった。

 この後、病院へ行って皮下点滴。
 家に着くと、小刻みに震え出し何も食べなかった。

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