#56 突然あの公園に行った日 2021.1.10 ①

温湿布して、お鼻もつやつやになったね!

 この日も朝方に布団にもぐってきた。寒いのかな。エアコンもつけて、室温も25度を保っていた。でも、寒いんだろうな。

 静脈点滴どうしよう……

 ひたすら考え悩み続け、朝の散歩へ行った。
 この日は不思議と尻尾も上がっていた。

 その直後、悩みが吹っ飛ぶことが起きた。
 太郎くんは私の顔をじっと見つめた。どこか行きたいときがある時おねだりする時はいつもこうだった。

「え? どこ行くの?」

 太郎くんは、私を引っ張った。こんなことしばらくなかったから驚いた。方向からしてB公園だと思った。

 一方ではいやな予感がした。最後に行っておきたい場所って言うわけじゃないよね? と。

 太郎くんの足取りは軽く、やはりB公園へ向かった。

 そして、水飲み場へ行った。そこで水を出してと、私の目を見る。

 10月だったかな、ここは太郎くんが大好きなドッグラン見学コースのお散歩の後に、立ち寄った水飲み場。ここのお水がおいしかったのかな? 太郎くんはこの水を飲みたいと。(一切、蛇口に口をつけていませんし、手ですくってあげています。)

 美味しそうに飲む太郎くん。私の手が冷たいけど、そんなのどうでもいい。心はとってもあったかかった。とってもとっても嬉しかったから。

 時折、「お姉ちゃん、おいしいよ」と顔をあげた。

 さらに帰ったら、なんと、
 もう食べないと思っていたカステラを食べた!!!!!!
 焼き鳥も食べた!!!!!

 太郎くんのお散歩、口からの食事、静脈点滴でこの時間を奪えない。太郎くんは静脈点滴しなくても大丈夫だよと全身で教えてくれた。

 先生にはこれらのことを告げ、先生も賛成してくれた。
 点滴は、全く食べなくなった時でいいし、いつでも開始したい時は言ってください、と。ストレスを与えずに、太郎くんがしたいことをした方が回復にはつながるからと。

 これまで通り、皮下点滴だけの通院を続けることになった。

 私もとりあえずの答えが出て、気が抜けた。

 おまけにこの日、他の患者さんの悲痛な場面に遭遇していた。それで気分も滅入っていたのだけれど、太郎くんは「僕は違うよ!」と奮起していたのかもしれない。

 帰ると、おやつも食べた。
そして大好きなレバーも食べた。

 夜は、母が太郎くんに温タオルで顔をあっためてあげていた。濡れタオルをレンジでチンするだけ。熱すぎないように気をつけて。太郎くんはとっても気持ちよさそうだった。

 そして、ガビガビになった鼻にはベビーワセリン(リップ用)を塗った。

 早いうちにベビーワセリン塗ればよかった。お鼻もつやつやになって、イケメンくんに戻った。

 この日も便秘だった。3日め。
 でも今日は食べてくれた! 明日は解消されるかな。

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