2021-10

姉のひとりごと

【姉のひとりごと 1】愛犬が教えてくれたこと

序章を終え、本章に入りました。  太郎くんとのことを思い出すことはつらいものの、序章までの太郎くんは元気だったから、楽しかったなと微笑みながら書き進めました。  これからつらくなるな……  悲しいことに結果はわかっているから、客観的に時間も...
第一章

#19 母と太郎くんだけの日 2020.12.16

今日は母が退院してから初めての出社だった。 コロナ禍前のタイムスケジュールで過ごすわが家となった。  太郎くんは久しぶりに1時間ほど早い起床時間となったが、カットで疲れているのかベッドで寝たままだった。カットの翌日はいつもこんな感じだ。  ...
第一章

#18 運命の日 2020.12.15

第一章  2020年12月15日。運命の日。  太郎くんの病院とカットの日だった。  この日に戻りたい。 残された家族全員が思っていること。 この日に起きたことの一つでも違う選択をしていたのなら……  太郎くんは今もここにいたはず。そう思う...
序章

#17 完全なるサインと最悪なタイミング

母の退院前日の午後、気になることがあった。 気のせいかと思うくらいほんの一瞬、だけど強烈で生臭い魚のニオイがした。それが太郎くんからなのか、自分なのかわからなかった。 2代目太郎くんは肝臓ガンで14才半で亡くなった。その亡くなる数日前の生臭...
序章

#16 だれ? 変なおばさんがいる

急にぼくの家にやってきた。 さっきはレバーのニオイにつられて、近寄ってしまったけど。 このおばさんはだれだ?  だれ?  だれなんだろう…… ぼくのかすかな遠い記憶……  知っている人のような気もするんだけど、 このニオイ、ぼくは知らない。...
序章

#15 母が退院……犬の記憶力って?

2020年12月11日。母が退院した。 家族全員、車で母を迎えに行った。もちろん太郎くんも。  退院手続きも取り、久しぶりにパジャマから服に着替えた母。やっと普段に戻れる!まだ母の体調は万全ではないが、C R Pも落ち着き、肝膿瘍も小さくな...
序章

#14 な、なんだ!? みんな変だよ!

な、なんだ!?  なにしてるんだよ!!!???  朝起きてリビングへ来たら、仕事から帰って来たお父たんが、ダンボールにお母たんの本を箱づめしていたんだ。 それを見て、お姉ちゃんが、 「余計なことしないでよ!」  バトルが始まった。 「勝手に...
序章

#13 母の退院が決まった

2020年12月になった。母が入院して3週間経った。  あらゆる検査の結果、主治医から「グラム陰性桿菌敗血症」との診断が下された。母は肝膿瘍により敗血症を引き起こし、高熱によるショック状態で救急搬送された。しかし、その原因となる菌を特定する...
序章

#12 ぼくの大好きな場所

今日は、ぼくの大好きな場所を教えるよ。  それは、一階リビングにある、長いソファーの左側なんだ! このソファの後ろには、お母たんの本がいっぱい!  ここにバスタオルや毛布が敷かれたぼくのベッドが置かれる。そこに横たわり、ぼくは、ひじかけにア...
序章

#11 お姉ちゃんなんか大っ嫌い! お母たん早く帰ってきて!

最近のお姉ちゃん、嫌いだ! いや、大っ嫌いだ!  ずっと忙しくしてるし、ぼくと一緒にゴロゴロしてくれない。ぼくが何か言うと、 「ちょっと待って!」  そればっか。やっと、ぼくのそばに来てくれたと思ったら、大っ嫌いな耳掃除するんだ!  あーあ...