【姉のひとりごと 10】

桜の時期は……

 約二年ぶりの更新になります。

 不幸というのは重なると言いますが、まさか自分の身に降りかかるとは思いもしませんでした。太郎くんの最愛の父であり、太郎くんの闘病をともに支えた父もまた、直後に癌が発覚し、闘病の末、太郎くんの元へと旅立ちました。

 太郎くんと父を看取り、このブログで訴えていたことや伝えたいこともまた変化しました。太郎くんが言いたかったことを父が教えてくれました。やはり「死に時」というものがあるようです。無理に頑張らせてはいけない。今では、太郎くんの主治医だった先生が強制給餌を進めなかったこともわかります。

 生き物は”自分で食べられなくなったら終わり”、なのです。

 太郎くんは胃、父は膵臓。消化器がんは致命的です。食べられない、消化できない、吸収できない……だもの、死にます。なので、強制給餌は単なる延命に過ぎないし、頑張らせるだけ、そう考えるようになりました。現に、太郎くんはそれで3ヶ月生きることはできました。でも、それは私の勝手なエゴでした。私のそばにいてもらいたい、という。

 父も同じです。私のそばにいてもらいたい、だから「食べて!」「薬飲んで!」無理強いしてしまいました。しかし太郎くんの時ほどではありません。もうダメだと私の中で覚悟ができた日があります。その日を境に、父との時間を大切に過ごそう。太郎くんと同じように、「今」だけを大事に過ごそうと。それは太郎くんが教えてくれたことです。

 父もまた母と私で看取ることができました。父に、「太郎くんが来た?」 と訊ねたら、頷いていました。よかった。太郎くんが迎えに来てくれたんだな、会えたんだって。それが救いでもあります。あの世で、きっと二人で散歩をしていることでしょう。

 長いこと休止しましたが、太郎くんと父との歩みでもあるので、無理ないペースで再開して、最後まで綴ります。

 いつか一冊の本にすることが私の夢であります。

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