#40 家族そろってお正月 2021.1.1 ①

2021年1月1日ちょうどの太郎くん

 うっかり熟睡してしまった。
 いけない! と思ったら、隣に太郎くんが寝ていた。いつの間に私のベッドに上がってきたんだろう。元気な時は当たり前のことだった。枕も占領され私はベッドの端で丸くなる。

 その後2時半を過ぎた頃、やはり落ち着きがなかった。そして太郎くんはお水を飲んだ。少しは落ち着いたようで、おしっこをしに行くこともなく朝を迎えた。

 新年を迎えられたこと、心から嬉しかった。

 嬉しかったけれど、喜ぶことはできなかった。緊張感を抱きながら、迎える新年なんて初めてのこと。
 母が退院した時は、豪華おせちで迎えようなんて明るい気持ちでいたけれどそんなのことは数日後に消えてしまった。母が新年を迎えられるかは心配していたけれど、それが太郎くんになるなんて思ってもみなかったから。

 新年は私一人で公園に行き、初日の出と富士山を拝むのが恒例だった。太郎くんは「こんなに早くどこ行くの?」と言いたげに私のことをちらっと見てはまた寝てお留守番をしていた。今年はそれはできない。それどころではない。

 朝8時を過ぎた頃、少し震え出した。便秘だったから? おしっこが溜まってる? 起きて公園に連れて行くと、大量の便も出た。特にどろっとしたわけでもなく普通の便だった。便秘は解消した。よかった。

 出すものを出したらご飯も食べるものだと思ったけれど、差し出した蒲鉾と伊達巻を少々食べただけだった。少しはお正月気分を味わえるよう、そして太郎くんの身体に悪いものだとわかっているけれど、伊達巻でも食べて食欲が戻ればと母は用意していたのだ。

 退院後、一番元気がなく、食べなかった。震えることは少なかったけれど、舌は白かった。鼻もガビガビしていた。

 お散歩もできなかった。公園まで抱っこしていった。そこで用を足すだけ。

 そして夕方病院へ行った。お正月休みの間も、皮下点滴をしてくれるとのことだったから。この不安な状況の中、先生に診てもらえることは大変ありがたかった。時間は先生に合わせた。

 退院後一番元気がなく、ほとんど食べないことを伝えた。先生も、調合する薬を考えていた。そして、食べるものは何でもあげてくださいと。私は、ネットで情報収集していた。食べないのなら、強制給餌(シリンジで与える)をした方がいいかも聞いた。先生は、太郎くんが食べないのはそれだけ内臓が悪いとのこと、無理にあげて吐いてしまう方が身体に負担がかかることだし、強制給餌は誤嚥する危険性があるのでお勧めはできないとのことだった。

 何でもいい、食べて。

 ただそれだけ。家に着いてから、母は太郎くんな大好きなレバーをボイルしたり、家族で交互に干し芋をあげたり、必死だった。

 太郎くんだって食べたくても食べられないから苦しんでいたのに。

つらかったね……
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