※この記録ノート画像についての見方は、下記リンクで説明しています。
↓
魔の時間なんてなった。一晩中だった。
終始荒い息づかい。そして熱そうにハアハアしている。熱がある。太郎くんは絶不調だった。
今日は出社予定日だった。
年末の太郎くんが退院する日に、急に上司に無理を言って長期休暇を前倒しにしてもらったのだ。新年の挨拶というよりお詫びをしなければならない。出社する日もそうない上、滞在時間も午後の数時間。こんな時に限って太郎くんの様子が悪すぎる。会社なんて行きたくない。太郎くんの側にいたい。
それが私からピリピリオーラを発しまくっていた。
何としても太郎くんを食べさせなきゃ!
少しでも元気取り戻して!
緊張が張り詰める中、カステラを差し出した。
カステラを半切れ食べた! よかったー!!
それだけでよかったのに焦ってしまった。
この後会社に行ったら私は太郎くんに食べさせることができない、お薬も今のうちに上げておかないと焦ってしまった。
今思えば、母に託せばよかった。その時の私は自分がやらないとというピリついた責任感と使命感の塊になっていた。残りの半切れのカステラに薬(アドレスタン)を埋め込んだのだ。
パクっといくはずだった。
だが、太郎くんのかわいい舌が薬を押し出した。
絶望。
頼みのカステラさえも吐き出してしまった。それから何をやってもダメ。
食べていたカステラを拒否してしまった!
もう何も食べないじゃないか!!!!!
自分への怒りが収まらなかった。
それを見た両親が、逆に会社へ行きなさいと。太郎くんから少し離れた方がいいと。
そうかもしれない。不安を抱えつつも、会社へ行くことにした。
この日の病院は、お昼の時間だった。太郎くんの点滴が終わったら、そのまま会社へ行くことにした。
この日の太郎くんの体重は、9.28 Kg。
9日前の12/30は、9.3 Kg。
12日前の12/27は、9.6 Kg。
元気な時は、10 Kgだった。
もう落とせない。
それから会社に行って何をしたのか全く覚えていない。
母からのラインが残っていた。
そうだった!
私がいない方がいいのかな、とも思ったのだ。
確かにコロナ禍の前の平日は両親と太郎くんとゆったりシニアライフだったのだろう。それなのに急に私が口うるさく登場して、穏やかな平日を掻き乱してしまったのかもしれない。
家に帰ると太郎くんは顔を見上げ私を見た。「お姉ちゃん、お帰り!」って言ってたのだと思う。コロナ前のいつもの太郎くんだった。特に大歓迎するわけでもなく、帰りを待ってなかったよとでも言うかのような気取った感じ。
回復してる!
私も程よく息抜きして、太郎くんから少し離れるのも大事かもしれないと思った。
“介護看病うつ”ってこういうことかもしれない。
そうだよと太郎くんの寝姿が物語っていた。
夢見て足がぴょこぴょこ、こんなに動いてる!!
笑って幸せなひと時だったな。
コメント