第二章

※この記録ノート画像についての見方は、下記リンクで説明しています。
(太郎くんの服用薬とおやつの説明もあります)
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昨日の夕方から太郎くんは水を飲んでいなかった。夜におしっこに出して、魔の時間がやってきた。太郎くんはそわそわし始めたので、シリンジで水20ccを口に含ませた。
その後4時ごろ、異変が起きた。
太郎くんは同じ方向にくるくる回った後、布団に頭を突っ込む。そして、ハアハアと荒い呼吸。その繰り返し。それが落ち着くと、ぼーっとしていた。
よく認知症になった犬がやる動作とは知っていたけど、脳に異変が起きたのか? 尿毒症になって毒素が脳へ回ってしまったのか?
昨日から水をほとんど飲んでおらず、アンモニア臭がひどかった。だから、毒素が回ったのだと思った。
私は必死で、「お水飲んで」と何度も言っていた。
この時の様子を動画を撮っておけばよかったのだけど、それがあまりにも異常な状況で私自身受け入れられずスマホをいじる余裕がなかった。ただ太郎くんに「お水、お水」とお水を飲ませることしか頭になかった。
でも結局飲まなかった。
最悪の事態が迫っていることを悟った。水も自力で飲まなくなったら、数時間単位で死が待っていることを知っているから。
やっと落ち着き一眠りして、朝のおしっこへ。そしてシリンジによる強制給餌をした。少しでもカロリーが摂れるようにと、腎疾患用の療法食パウダー(森永サンワールド チューブダイエット 犬用キドナ)も混ぜた。
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その後、太郎くんは自分でお水を100cc飲んでくれた。
とってもうれしかった!
そしてお昼に病院へ行った。緊急事態宣言中のため、付き添いは一人だけ。この日は私が付き添った。父は車で待機。
私は、先生に訴えた。太郎くんの今朝方の異常を。
そして体重計は、8.91kgだった。
ついに9kgを切ってしまった……骨太デカシーズの太郎くんの理想体重は10kg。元気な時は10kgを切ることなんてなかった。
この数字が胸に突き刺さった。
そんな私の胸に爆弾を落とすように先生は言った。
「もうその時が近いです。覚悟してください」
私は、他に方法はないのか、必死で質問した。
先生は、
「家族との時間を大切に」
とだけしか言わない。
私はもう太郎くんを見届けることしかできないのか。私は悲しさより怒りしかなかった。
病院の駐車場に戻り、待っていた父に全てをぶつけた。
「他の先生に診てもらいたい!」
「セカンドオピニオンしたい!」
と。ただ、太郎くんの体力が限界だった。
病院から帰ってもじっと寝たままだった。
太郎くんは何も食べていない。強制給餌だって、どのくらいカロリー摂取できたのだろうか。まだ始めて2日目。ほとんど口から出ていた。ほとんど太郎くんの口の周りの毛についていた。強制給餌というほど太郎くんの体内にはほぼ入っていないに等しい。
午後3時。
父が太郎くんを公園に連れて行った。おしっこに、ゆるい便も出たという。
帰ってくると、また自力でお水を飲んでくれた!
そしてそして、おやつも食べてくれた!!!!
この時の様子を今でも鮮明に覚えている。
私が恐る恐る太郎くんの口元に持っていったら、太郎くんはクンクンをして、ゆっくり口を開けたんだよね!
そして、ニュージーランドのおやつ(アブソルート)もたくさん食べてくれたんだよね!
今日だと思った。
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