私は、父に行こうと告げた。
そして、仕事を切り上げた。この頃は2回目の緊急事態宣言中であり、経済もほぼストップしていた。仕事という仕事もなく、この日やるべきことは全て終えていた。
私は、どうしてもホームドクターが診断した「腎臓病」に納得がいかなかった。この日も太郎くんからアンモニア臭があったのは事実。でもそれは本当に腎臓病なのか?
- 太郎くんの、いつまでも続くC R Pの高値
- 12/15のトリミング後の急変
この2点がずっと引っかかっていた。いくら調べてもこれほどのCRP高値の情報がない。
ただわかるのは感染症によるものだということ。腎臓病、ガンではこんな短期間で急激な上昇はありえない。
そして、腎臓の値BUN、CRE、肝臓の値ALPも高値だ。

腎盂腎炎などの急性の病気、もしくは膀胱結石の時の手術痕に異常があるのでは? そこに何か感染したのではないか。尿路閉塞にでもなっているのではないか。
肝臓の値も悪い。トリミング感染したものが、悪性の致死レベルのものだった?
感染性肝炎、レプトスピラ症か。レプトスピラ症なんて日本では稀とのことだけれど、症状はぴったり当てはまっていた。「稀」だからこそ発病したのだ。出血、急性の肝不全や腎炎、全てが一致していた。
それともやはり、母が肝膿瘍になった同じ菌が太郎くんの中で悪さをしているのではないか。
「腎臓病」で終わらせたくなかった。この急なCRP高値の原因を突き止めねば。
私はすでにホームドクターへの不信感が最高潮に達していた。
- 全身麻酔が必要なC Tを撮る以外に、太郎くんの体内を調べる方法はないのか?
- なんでホームドクターはレントゲンを撮ってくれないのだろう。
- それかもう太郎くんは助かる見込みがないと判断して、何か明るみに出ることを恐れているのか。
今となってはホームドクターの思いもわかる。
生き物がご飯を食べない=末期症状
→ それを無理やり食べさせたところで、ほぼ助かる見込みはない。
→ だったら、穏やかな時間を過ごした方がいい。
それは多くのペットを診てきた中でのホームドクターの信条だったのかもしれない。
でも、私は諦めたくなかった。
家族全員、いや太郎くん自身も諦めたくなかった。
絶対に治る!!!!!
そう信じていたし、そうするために頑張る!
だから、ホームドクターではない違う先生のところへ。
セカンドオピニオンの病院は決めていた。
この病院は、膀胱結石の時にも行こうか迷っていた病院だった。ここでは、電気水圧による結石破砕術をしているところだった。
今思えば、ここでも選択肢を誤っていたのかもしれない。きっと膀胱結石の術後遺症も免疫低下の原因の一つに違いないから。そして、早くにこの病院を知っていれば、手遅れになることもなかったのだと。
今となっては後悔しかない。また、「人生たらればはない」この言葉が頭をよぎる。
私はこの病院に望みをかけた。
決め手は以下の5点だった。
- Googleや calooペット での口コミ、評判もよかった。
- 先進医療に積極的に取り組んでいる。
- 大学病院のように多くの先生が在籍している。
- 最新のエコーを導入、麻酔なしで患部がわかる。
- SNSを常に更新している。
一方、不安もあった。
- 検査に耐えられる体力が太郎くんにあるか。
- どの先生が担当になるかわからない。
- 先進医療=実験台になるのでは?
- ホームドクターとは今後どうしたらいいか。
今思えば、お金の心配は全くしていなかった。今の動物病院の診察料の平均は知っていたし、また良心的な診察料との口コミに安心していたこともあった。太郎くんの保険加入は3歳時で止めてしまい、クッシング症候群になってからはもう加入はできなくなってしまった。今は絶対に元気なうちに入り継続しておくべきだと思っている。診察料は良心的でも、薬代がかかる。これはどこの動物病院でも輸入薬を扱う以上、仕方ないことなのだ。
賭けだった。このままでは「死」しかない。
まずは電話した。セカンドオピニオンも快諾してくださった。今までの血液検査などのデータと処方薬を全部持ってくるように。
予約するも、今なら空いてますとのこと。すぐに行きますと告げた。全てがスムーズだった。電話の方も感じがよかったし、セカンドオピニオン受付の案内も慣れていた。
ここで間違いないと思った。
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