【姉のひとりごと 6】太郎くん不在の新年を迎えて

2022年

 新年早々、しみったれた事を書きます。吐き出します。

 太郎くんがいないお正月はつらい。これほどつらいとは。

 年末から年賀状書くのがつらかった……
 本当は喪中なのに。喪中の葉書を出したいくらいだった。

 この年末年始、「太郎」がN Gワードのようでした。
 「思い出させないで! そんなこと言わないで!」、特に母がそうでした。太郎ロスで体調不良でした。
 父の初夢は、太郎くんが高いところから飛び降りてしまい、「たろぼー、大丈夫か〜!」と叫んだ夢。
 私の初夢は、ボクサー犬が太郎くんの左腕を噛んだままじっとしていて、太郎くんは「お姉ちゃん助けて」と私の目をじっと見ていたという夢。
 父も私も目覚めると、もうそんな心配はすることないのだとホッとするやら悲しいやら……

 わが家は太郎くんが中心でした。

 主役不在の家は寂しさを紛らわすのにテレビをつけておくくらい。かまぼこも、伊達巻も、お肉も、「ちょうだいちょうだい」と横取りしてくる“毛むくじゃらくん”がいないお正月は、十年以上前の話。  そんなお正月の過ごし方なんてとっくに忘れています。

 残された家族に太郎くん以外の会話なんてないし、ただただ個々の部屋に篭るだけ。TVerみたり、YouTubeみたり……

 去年の大変な時だって、お正月を味わう余裕なんてなかったけれど、太郎くんはそこにいた。
 今は、写真と骨しかない。動かない。

 今思うのは、太郎くんがいる生活が当たり前だったから、ペットを飼ったことない人がよく言う、「散歩大変じゃない?」「面倒見るの大変じゃない?」「旅行行けないよね?」のどこが大変なのか逆にわからない。むしろ、いない方が何していいのかわからない。太郎くんを置いての旅行なんてありえない。そんな旅行なら行かない。元気な時は散歩も2時間くらい行って(行き過ぎー!)、こんなに時間費やすしていいのかと自問自答した日々もあったけれど、今思うとその方が充実していたなとしみじみ思います。

 お正月の公園は、わんちゃんを散歩しているたくさんいました。
 幸せそうでとても羨ましかったです。みんな元気で長生きして欲しい。太郎くんがいた時より、散歩をしているわんちゃん連れの方々がとても眩しく愛おしく思えます。

 「お姉ちゃん、もうぼくのことはいいから楽しく過ごして」と太郎くんが私に言っているような気がすることがあります。闘病の日々を振り返るのに気持ちがついていけない時があるのは事実です。でも、このままもつらいのです。頑張った太郎くんを記録に残したいし、どんなに調べてもわからなかったことを知りたいし、昨年の私のように情報もなく苦しんでいる方へ少しでもヒントとなることがあればという思いがあるから。無理せずにマイペースに続けていこうと思っています。
 
 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

太郎&姉

 

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