#55 そして静脈点滴をするか悩んだ日 2021.1.9 ②

青いテープで点滴の針が止めたんだよね

 先生に相談した。 
 昨日調べた、”日中病院で静脈点滴をして、夜の帰宅時に皮下点滴の併用治療”について。

 二つ返事で「できます」とのことだった。ただ通常24時間かけて少滴ずつ行う静脈点滴を昼間だけとなるともちろん効果は望めないし、太郎くんの細い血管に針を刺すのは一回につき1ヶ所のみ。頻繁に抜き刺しできるものではないので、針を刺したまま帰ることになるとのこと。

 そして私は先生に質問した。

「先生はこの方法でどのくらいの回復の可能性があると思われますか?」と。

「10% 」

 静脈点滴の効果はあっても持続しない。それは年末でお分かりでしょうと付け加えられた。数日経つと元に戻ってしまう。結局、その繰り返しだと。

 私は静脈点滴に入れる抗生剤とカロリーに期待した。でも、先生は抗生剤もその時だけで、カロリーが入れられると言ってもほんの数カロリー。人間の栄養点滴と違って、ほぼ入れられない。食べるカロリーには到底及ばないと。

 私は先生から、(大変な思いをする割には効果がない。だったら、穏やかに余生を過ごした方がいい)、という空気を感じとっていた。

 結局、私の自己満足にしかならないのか。

 先生は、明日から治療を開始でもいいとおっしゃった。なるべく静脈点滴は長い時間したいので、診察開始時間にすぐに来て欲しいとのことだった。
 よって翌日は朝一の予約を入れ帰った。

 しかし、帰ってから嬉しいけど困ったことがあった。
 太郎くんは、焼き芋をペロリと食べた。

 また考えてしまった。もし、静脈点滴をした場合、ゲージにじっと入ったまま。おやつも焼き芋も食べることは無くなる。おしっこをしにいく、昼間の歩く運動も無くなってしまうから。

 悩んだ。気が狂うほど悩んだ。

 

 静脈点滴すべきか……

 日中は静脈点滴で夜は皮下。静脈点滴でカロリーは入れられると先生はおっしゃるけれど、日中、点滴となるとゲージの中。ベッドを動き回る運動量もなくなるのかと思うと、おやつを食べるタイミングも無くなるのかと思うと躊躇う。

 先生は良くなるのは10%の確率といった。

 太郎くんのストレスを差し引いて結局10%ということなのか? 
 絶対的なカロリーが少ない、明日も食べないかもしれない。いったい太郎くんの身体の中で何が起きてしまったのだろう。

 原因究明より、抗生剤も効いて、太郎くんの免疫も頑張ってくれて、内臓も無事に再生して、数値がよくなればいいだけ。またいつもの太郎くんに戻って欲しい。

 完治なんて望んでいない。ただ年相応に病と付き合い、お兄ちゃんを超える年齢までわが家のアイドル、王子でいて欲しい。 誕生日(2月26日)ももうすぐじゃない。12才で天国なんてあまりにも早すぎる。

 今までいろいろ苦労、病、キズ、手術も耐えてきた太郎くんに、またこんな試練を与えるなんて酷すぎる。こんなにいい子なのに。こんなにかわいいのに、どうして……

 明日も食べて欲しい。食べて! 
 そして謎の菌とウイルスに勝って欲しい! お母さんと同様に。

 私も頑張る。お父さんもお母さんも頑張る。 だってこんなに小さな身体で太郎くんは頑張っているんだもん。

 明日の病院の予約までに結論出さなきゃ。
 日中入院かこのままか……太郎くんのために太郎くんが少しでも良くなる方法を。
 
 まだまだ太郎くんと一緒にいたいよ。 お願い。
 お兄ちゃんたち! 弟を守って!! お願い!!!

2021.1.9 太郎くんの闘病日記より

 

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