第二章

#80 そして自力で立てなくなり、セカンドオピニオンを後悔した日 2021.1.22 ②

父の怒号は悲痛な叫びだった。  太郎くんは、歩こうとすると後ろ足がもつれ、ぐしゃっと倒れた。立つことすらできなかった。だから、父が太郎くんを支えておしっこをしたのだと。  そればかりでない。帰ってきてからの太郎くんは、呼吸が荒くなった。  ...
第二章

#79 セカンドオピニオン翌日、真剣に強制給餌に取り組むと決めた日 2021.1.22 ①

大人しい静かな夜だった。朝方5時にお水を飲んだくらい。 昨日のセカンドオピニオンが疲れてしまったのだろう。 伏せたまま、ずっと寝ていた。 私も会社の休みを取った。強制給餌に本気で取り組むために、一日時間が欲しかった。  
姉のひとりごと

【姉のひとりごと 9】太郎ロスがひどい季節

しばらく更新ストップしていました。  仕事も忙しく、雪山に行ったりと、日常生活を送ることにいっぱいいっぱいだったこともありますが、それに加えて父親の体調不良がありました。  父と私だけは、母と太郎くんの闘病中に倒れることなく日々動いていまし...
姉のひとりごと

【姉のひとりごと 8】運命を変えるなら早く!

運命を変えた日、長々と失礼しました。 振り返ってもこの日は特別で、この日があったから、あと2ヶ月間一緒にいられました。  太郎くんの13回目の誕生日も迎えられたし、父と母の誕生日も一緒に迎えられた。 でも、苦しく頑張らせて、ただ時間を引き伸...
第二章

#78 運命を変えた日の終わり 2021.1.21 ⑩

セカンドオピニオンへ行った。 真実が明るみになった。それは残酷なもの。それをどうして母に話してしまったんだろう。 嘘をつけばよかった。優しい嘘を。なんで全て話してしまったのだろう。 バカだ! 大バカだ! 全力でサポートして欲しいから、私一人...
第二章

#77 そして私は大馬鹿者だと心底思った日 2021.1.21 ⑨

家に着き、母は予想を遥かに超えた遅い帰りに待ちくたびれ、疲れきっていた。  私はその都度、心配しない程度のラインを送っていたが、状況がわからないだけにずっとやきもきしていたに違いない。  実は帰りの車で、母にはどう話そうか考えていた。  母...
第二章

#76 セカンドオピニオンで悩み、決めた日 2021.1.21 ⑧

その疑問とともに、次の疑問も浮かんだ。 それをセカンドオピニオンの先生にぶつけた。 「ホームドクターとはどうしたら?」 「確かに腎臓の数値も悪いので、皮下点滴を続けるのはいいと思います。そして、週一の貧血ホルモン注射は続けてください。ホーム...
第二章

#75 そして治す方法を知った日 2021.1.21 ⑦

セカンドオピニオンの先生は、血液検査の裏に描いた図の隣に、フローチャートを書き始めた。 これまたデキる家庭教師そのものだった。 原因とそれに対する治療 白血球が高い → バイ菌が悪さ → 抗生物質 + アドレスタン半量貧血 = ご飯を食べて...
第二章

#74 真実は残酷だと知った日 2021.1.21 ⑥

先生は、血液検査の結果の用紙を裏返しにした。  太郎くんの現状を説明し始めたのだ。 3色ボールペンを駆使して、とても綺麗な字とわかりやすい図を書いて説明してくれた。優秀な家庭教師のようだった。若いのにキャリアを感じた。毎日多数のペットたちと...
第二章

#73 そして真実が明るみになった日 2021.1.21 ⑤

先生は、エコーを見せてくれた。 白くて楕円状のものがあった。でも、そこはどこだかわからなかった。 「ここは胃です」 「え? 胃??」  思考と言葉が同時だった。 「そう、胃に大きな腫瘍があって、これがCRPがずっと高かった原因です」 「腎臓...