#74 真実は残酷だと知った日 2021.1.21 ⑥

振り向かない!って決めたんだよね。

 先生は、血液検査の結果の用紙を裏返しにした。

 太郎くんの現状を説明し始めたのだ。
 3色ボールペンを駆使して、とても綺麗な字とわかりやすい図を書いて説明してくれた。優秀な家庭教師のようだった。若いのにキャリアを感じた。毎日多数のペットたちと真剣に向き合い、その家族と親身に接しているのがその3色ボールペンの使い方でわかった。

 ※実際の資料を載せたいのは山々ですが、許可も得ていませんので、私が書いた図を載せます。

 腫瘍は胃だけではなかった。副腎もだった。
 そしてそれは、

 胃の上部→肝臓の隣
 副腎の片方→腎臓の隣

 太郎くんの数値が悪かった、肝臓と腎臓に近い場所だった。よって、腎臓と肝臓の数値が悪いのは炎症部分に近いから、悪影響を及ぼしているのでしょうと先生は推察した。

 どちらとも難しい場所なのでどちらも手術で取り除くことは不可能だとのこと。

 そして、こうなった原因を2通り提示してくれた。

  1. 白血球が高い → 何かに感染。バイ菌が悪さをして腫瘍化。
    C R Pがずっと高い=炎症が長期化=腫瘍
  2. クッシング症候群が原因 →  副腎の腫瘍が悪性で、胃に転移した可能性。

 母も腫瘍で、太郎くんも腫瘍なんて……私は先生に尋ねた。

「2つの腫瘍は悪性ですか?」

「エコーやレントゲンでは悪性か良性かはわかりません。でも、この大きさから推測すると悪性でしょう」

「そして、画像に映らない部分で出血しているんだろうな……腫瘍の子って貧血がひどいんですよね。これをなんとかしないと」

 先生は、母との病気の関連性は否定していた。

 しかし私が母の主治医から受けた説明によると、母の腫瘍は良性だった。それは謎の菌やウイルスによってできた腫瘍。それは、良性でも抗生物質が合わなかったり何かのきっかけで悪性になる可能性があると言う。なので、母は今も定期検診を受けて慎重に診てもらっている。

 つまり私は、母と太郎くんは菌やウイルスは違うかもしれないが、腫瘍になったメカニズムは同じだと思った。

 太郎くんはやはりトリミングのあの日に感染した。血を吐き、その2日後に入院した時は点滴の抗生物質が効いていたのだ。だから退院後は散歩もできたし、ご飯も食べられた。
 それが皮下点滴になってからの抗生物質は全く効果がなく、謎の菌やウイルスが再び繁殖してしまったのではないか。それが弱っていた胃に腫瘍を作ってしまったのではないか。

 私の素人な推測でしかないけれど、そうとしか思えなかった。

 だって、クッシングの数値は正常値に治っていたから。クッシングが原因で膀胱結石になったのだし、その手術で免疫力も低下したのは百も承知だけど、高熱がでて腰がぐにゃとくだけるように倒れ、血を吐いた日はあの日なのだから。

 その頃、トリミングで感染したと思われる菌でぶどう膜炎を発症し、失明、内臓腫瘍化して亡くなったわんちゃんのブログを読んでいた。太郎くんもそうかもしれない…… 

 太郎くんはあの日、目が真っ赤に充血していたから。

 しかし真実はわからない。医学的にあり得ることなのか私にはわからない。
 証拠も何もないので、私は訴えることもしない。母の入院や、その前の膀胱結石などの持病で免疫低下させてしまったのも悪いのだ。太郎くんの体調管理ができていなかったのだから。

 でも、ただ一つこれだけは言える。

 あの日から太郎くんは容体が急変し、異常になった。
 いったい何の菌、ウイルスが太郎くんを襲い、腫瘍化させてしまったのだろう。

 今も謎のまま、今後もわかることがない。

 ただ、このブログが役に立ったり、有識者の目にとまり、何か一つだけでもわかることがあればそれだけが救いだと思っています。そのために私はこのブログを更新し続け、微力ながら発進し続けます。

スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました