犬の介護

第一章

#51 太郎くん絶不調の中、会社へ行った日 2021.1.7

太郎くんが退院してから初めての出社日となった日。こんな日に限って太郎くんは絶不調だった。頼みのカステラも食べない、看病疲れもストレスも限界だった……
序章

#12 ぼくの大好きな場所

 今日は、ぼくの大好きな場所を教えるよ。  それは、一階リビングにある、長いソファーの左側なんだ! このソファの後ろには、お母たんの本がいっぱい!  ここにバスタオルや毛布が敷かれたぼくのベッドが置かれる。そこに横たわり...
序章

#11 お姉ちゃんなんか大っ嫌い! お母たん早く帰ってきて!

 最近のお姉ちゃん、嫌いだ! いや、大っ嫌いだ!  ずっと忙しくしてるし、ぼくと一緒にゴロゴロしてくれない。ぼくが何か言うと、 「ちょっと待って!」  そればっか。やっと、ぼくのそばに来てくれたと思ったら、大っ嫌いな耳掃...
序章

#9 濃縮ジュースの嫌な予感

 母の容体が安定してからは、心のゆとりもできた。 太郎くんの免疫低下のサインも見逃すほど、緩んでいた。 「太郎くん、こっち見て! お母さんにメッセージ言って」とねだったり、「クーン、クーン、クーン」と甘えた鼻声を言わせたり、無理矢理...
序章

#8 サインは出ていた

 母の入院4日め。 母の容態が最悪だった。  洗濯物を預けた看護師さんから容体を伺い、ガラス越しに見た母の顔が浮腫んでおり、顔色は土色。ゾッとした。その帰りは泣きながらペダルを漕いだ。  太郎くんは、そんな私の様子を敏感に捉え...
序章

#7 太郎くんの追加されたルーティーン

 太郎くんの基本的なルーティーンは守った。  ただ、私が母の病院に行く時間の夕方6時半〜8時に、太郎くんは1階のリビングでお留守番(厳密には2階で父は寝ているのだが)することになった。 幸い母の病院は自転車で15分という近い場所だっ...
序章

#6 そして母がいない生活が始まった

 父、太郎くん、私だけの生活が始まった。  いい年をして独身、家のことは母任せだった。太郎くんを迎えた時に“マタニティブルー”になったように、「太郎くんを育てること=子育て」だった。まさにその時、結婚適齢期であった。当然、長い付き合...
序章

#5 ぼくのルーティーンを紹介します。

 時々、風邪を引いたり、お腹壊すこともあったけど、ご飯はおいしいし、おやつも最高!  完熟した甘いトマトは大好物。お姉ちゃんは、ぼくが大好きなものをいつも食べている。だから、お姉ちゃんが食べているもののチェックは欠かせない。  毎日...
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